コイケジュンコ / JUNKO KOIKE 美術家
1974年うまれ。女子美術大学出身。
方々で拾い・買い・貰い集めた強度の無い紙などで、非機能的だが実際に人間が着る事のできる原寸大の服・靴などを制作。総じて『HI-FUKU』(非服=「服に非らず」)と名付け、日常(ケ)に埋もれそうな「ハレ」を追い求めている。
代表的な作品に、ティッシュのみで作られたドレス「100%カシミ屋」、月刊漫画雑誌一冊丸ごと使用した「妄想ドレス」などがある。また、衣装などの参加 も多く、ヨコハマトリエンナーレ2014にて森村泰昌氏が行ったラストパフォーマンス「Moe Nai Ko To Ba を燃やす」では、「本の女神」の衣装を担当。
2016SS COLLECTION
h.NAOTOのグラフィックに散りばめられた「桜花」「神風」「回天」「震洋」、
そして「地と父と」から着想を得た紙のヘッドドレス5点を制作。
江戸時代の遊郭にいた童女・禿をイメージソースに、否が応でも見えてくる未来、時代や人生のうねりを表現した。
また、重ねた異なる材質や一部地毛が出る構造は、過去・現在・未来を表している。
「地と父と」にちなんだ折鶴の集合体で出来た作品は、おかっぱウィッグのような兜である。
あらゆる衝撃に耐えられないであろう紙で、平和への祈りを含んでいる折鶴で、身を守るしなやかさ。
そのしなやかさの中に渦巻くダークな深層心理も絡めた作品である。